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メタメッセージとは?洗脳された漫画キャラを例にして説明

公開日: : 最終更新日:2018/05/02 心理学

メタメッセージという単語を初めて聞く方も多いと思います。

ABCというメッセージを送っているつもりが、ABCDと伝わってしまうというような、本来の意味を超えて伝わってしまうことを言います。

これは、故意であれ不本意であれ、さまざまなシーンで起きてしまうことなのです。

漫画の敵キャラはほとんど、メタメッセージで洗脳されているようなものなので、わかりやすいと思います。

メタメッセージとは?

養老孟司の著書「自分の壁」でメタメッセージという単語が出てきました。普段聞きなれない単語で、私も始めて聞いたのですが、この理論自体は自然と理解していました。

過去に書いた記事でこれ↓もメタメッセージが関係していました。


ちなみに、メタメッセージとは、簡単に言うと、

メタメッセージ(英: metamessage)とは、メッセージが伝えるべき本来の意味を超えて、別の意味を伝えるようになっていることを指す社会学用語。
引用:wikipedia

という意味です。

具体例を言うと、

①テレビで、大阪市で15歳の少年Aが凶悪な犯罪を犯したと報道する。

②報道が過熱し、毎日、どのテレビ局もこの事件を報道している。

③数週間後に、東京都で、18歳の少年Bが飲酒運転で被害者に重症を負わせたという事件が報道される。

というような、凶悪な少年犯罪が起きるとテレビ局は毎日のように報道します。

実際、報道というものは、そのときそのときで、視聴者が興味がありそうなものをピックアップして報道します。どんな事件も分け隔てなく平等に報道しているわけじゃありません。

まず最初に①のような凶悪な少年犯罪が起こると、人々はその事件に興味を持つので、テレビ局は毎日のように報道を流します。そして、③のような①とはまったく関係ない事件でも、犯人が少年というだけで、「これは、今視聴者が興味ありそうだから報道しよう」とテレビ局は報道するわけです。

③のような飲酒運転で交通事故など、毎日のように起きている事件なのに、犯人が少年という理由だけで、流行に乗って報道されるのです。

 

このように、連日連夜、少年犯罪が報道されると、視聴者は少年犯罪が増えているという印象を持ってしまいます。

つまり、「少年犯罪が増えてるよ!!」というのがメタメッセージなのです。

しかし本来、テレビ局が発しているメッセージは、「大阪市で少年が凶悪な犯罪を起こした」「東京都で少年が飲酒運転で被害者に重症を負わせた」ということだけです。「少年犯罪が増えた」とは一言も言っていません。

本来の意味を超えて、勝手に視聴者がメタメッセージを受けて、少年犯罪が増えていると勘違いしてしまうのです。

もちろん少年犯罪は増えていません。年々減少しているというデータがあります。

 

さらに養老孟司の「自分の壁」では、ネット社会になって、リアルな人との付き合いが減少している人に、多く現れる現象だと指摘していました。

例えば、特定の国の人を批判するサイトはネット上にたくさんありますが、それは、批判に値するものだけを集めたものだから、当然、それだけを見れば誰でも、その国の人を嫌いになってしまうでしょう。

実際にその国の人間と会って話をしてみれば、意外にいい人がいるかも知れないし、たまたま悪い人に当たるかもしれない。

でも、ネットが発達したおかげで簡単に偏った情報だけを仕入れることができてしまうわけです。

漫画の敵キャラはだいたいメタメッセージで洗脳された中二病

人間の性質として、常に偏ったメッセージにさらされると、あたかもそれが自分の意見であるような錯覚におちいります。そして、人間はみんな自分のことが好きですから、「自分が言うことだから正しい」と思います。

こうなったら洗脳は完成です。最初は他人の意見だったものが、いつのまにか自分の意見にすりかわっているのです。

人種批判、政治批判・・・いろいろありますが、だいたい最初は他人の意見だったものです。

私たちも、知らず知らずの内に、多かれ少なかれ洗脳されています。(洗脳というとちょっと大げさかも知れませんが・・・)

漫画のキャラで考えるとわかりやすいので、特に敵キャラは、こういった洗脳の背景を考えると、みじめで愚かなただの中二病にしか見えなくなります。

one pieceのホーディー・ジョーンズ


©集英社

ホーディ・ジョーンズこそ、象徴的な洗脳キャラです。

魚人島編は、一種の社会風刺だと私は思っています。(ワンピースは、意外と社会風刺的な場面が多いですよ)

ホーディは魚人街で先輩達から人間の悪口を聞かされて育ってきました。

そして、ホーディ自身は人間になにもされていないのに、他人の意見であったはずの、「人間は悪いやつ」という意見が自分のものになってしまい、人間を憎むようになりました。

ただの断片的な情報だけで、人間はすべて悪者と思い込んでしまったのです。

断片的な情報というのが、「タイのお頭やアーロンといった大人達が人間に迫害を受けて、人間を恨んでいる」という情報です。これが本来のメッセージで、メタメッセージが「人間は悪いやつ」「人間に復習すること以外に大切なことはない」です。

おと姫のように、実際に人間に触れ合えば、悪いやつもいるし、いいやつもいるということがわかるのに、「魚人街の大人達が人間を恨んでいる」という情報だけで、「人間はすべて悪いやつだ」というような本来の意味を超えて勝手に解釈してしまい、情報に踊らされたみじめな空っぽな洗脳キャラになったのです。


©集英社 「人間がお前に何をした」と聞かれ「なにも」と答えるホーディー

幽遊白書の仙水


©集英社

幽遊白書では、いままでずっと妖怪が敵だったのに、最後の強敵は仙水という人間でした。

仙水は人間でありながら、強力な力の持ち主であり、子供のころから妖怪に襲われては返り討ちにするという日々をすごしていました。

自分に危害を加えようとする妖怪を倒すべき敵と認識していた仙水ですが、ある日、妖怪をもてあそぶ残虐な人間達をまのあたりにしてしまいます。その後、人間の残虐性を確かめるために、『黒の章』という、人間の残酷な部分だけを収録したビデオテープを盗み出しました。

そうして仙水は、人間はすべて憎むべき存在として見るようになりました。

この行動も、一時が万事のような考え方です。ひとつの事柄から、人間すべての本質がそうであると思ってしまっています。

本来人間は、残虐な面もあるが、やさしさも持っていて多様性があるはずです。黒の章を盗み出す行為はまるで、偏った情報だけを収集してしまう、人種差別のネット情報をむさぼるように見る人に似ています。

黒の章によってメタメッセージを受けたキャラで御手洗というやつもいます。

仙水の部下である御手洗は黒の章を見ることにより、もともといじめられていたこともあって、人間すべてを恨んでしまいます。

黒の章は黒の章、ご近所さんはご近所さん、全然違う。ということを論理的に考えられないと、勝手なメタメッセージを自分で作ってしまいます。仙水も御手洗も、人間のマイナスな情報に触れれば触れるほど、その情報から「人間に復習する以外に大切なことは無い」とメタメッセージを受け取っているのです。

るろうに剣心の瀬田宗次郎


©集英社

瀬田宗次郎は志々雄真実ひきいる十本刀の一人です。

彼は、親戚の家で育てられてきましたが、義理の親や義兄弟達にひどいいじめを受けていました。

若くして、志々雄真実の「弱肉強食」という主義だけを聞かされ、実際にその主義通りに動いたことにより、義理の家族からの解放を手に入れたわけです。

そして、まるで「弱肉強食」こそがこの世の真実であるかのような思考に陥るのですが、剣心に敗北することにより、それが間違いだったと気づかされます。

弱肉強食が必要だったのは、宗次郎の育った義理の家族の中だけの話で、世の中すべてがそういうものではない。ということに宗次郎は気づき、本当の真実は、自分の足で見て回った後に結論を出すということになりました。

小さい世界だけをみて、世の中すべて弱肉強食だと思ってしまった宗次郎は、まさに志々雄真実に洗脳されていたと言えるでしょう。

 

このように、漫画の敵キャラ達は、ある一定の情報から、自分で勝手にメタメッセージを感じ取り、人間を憎んでしまうというパターンが多いのです。

政治は重要だというメタメッセージ

重要な情報は個人個人違うはずです。

しかし、今の日本では、新聞の一面は政治の情報だし、テレビで政治のニュースを流さない日なんてありません。

でも、「政治なんてどうでもいい」という人は本当はたくさんいるはずです。

しかし、たくさん報道されているから勝手に「政治以外に重要なことなど無い」というメタメッセージを我々は持っています。

私も個人的には政治だとか、選挙だとかどうでもいいと思っています。

どうでもいいと思っているから、政治に関するたいした知識もなく、選挙にも人生で2回しか行ったことがありません。

だけど、メタメッセージを受け取っている多くの人は、こんな私をダメなやつと批判するのです。

本当にダメなのは、メタメッセージと気づかず、洗脳されている人たちなのです。

若者にとって、老後のことがどうでもいいように、老人にとっても、若者のことなどどうでもいい。その時その時によって、人は重要だという情報が違うのが当たり前。なのに、なんとなく、常に報道されていることが重要であるかのような錯覚を覚えてしまう、これがメタメッセージなのです。

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  • sio(シオ)です。(@sio_629)

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