クレーマーの心理|人はなぜクレームを言うのか
お店の従業員の接客態度が悪かった場合、あなたはクレームを付けますか?
それとも、度合によるでしょうか?
世の中には、なぜかどんな些細な事でもやたらとクレームを付けたがる人っていますよね。
小さなことで、いちいちクレームを付けたがる、通称「クレーマー」は、周りから見たらものすごくバカに見えます。
クレーマーの人は、周りからバカに見られていることに気づいていません。
じゃあ、お店の態度がものすごく悪くても黙って泣き寝入りするしかないのでしょうか?
それもまた、バカみたいですね。
この記事では、なぜ人はクレームを言いたくなるのかとクレームを言わず、適切に対処するにはどうしたらいいのかを脳科学や心理学を用いて説明します。
また、なぜ私はクレームを言われやすいの?と悩んでいる方用に、なぜだかクレームを言われやすい人の特徴も合わせて紹介します。
目次
クレーマーになりやすい人・パターン
他人よりもクレームを言う機会が多いと自他共に認めている人でも、どんなシーンでもクレームを言っているわけではありません。
まったく同じことをされても、クレームを言う場合、言わない場合があるのはなぜでしょうか。
それは、知らず知らずのうちに、自分の行動を決定させてしまっている見えない力があるからです。
30歳前後でやっと前頭前野が成熟する
若いうちは、ちょっとしたことで何でも「ムカついて」います。
歳をとると、自然と落ち着いてくるものです。
感情を抑える脳の部分は「前頭前野」と呼ばれる部分です。
実は、この前頭前野は30歳前後でやっと成熟するのです。
つまり、若者は怒りの感情を抑える前頭前野が未成熟のため、ちょっとしたことで怒りっぽくなっているのです。
1人より2人以上のほうがクレーマー化する
お店に食事に行ったとき、1人で行くよりも、恋人や友人などで2人以上で行くほうがクレーマー化しやすくなります。
なぜなら、「集団は理性を鈍化させてしまう」という心理があるからです。
いわゆる集団心理というやつです。
集団になることによって、道徳心や倫理観に関する内側前頭前野という領域の活動が鈍るということがアメリカの大学の実験でわかりました。
おそらく、集団になることによって、1人当たりの責任感が分散化されているかのように錯覚し、自分の発言に責任を持つという倫理観が薄まってしまったのではないかと思われます。
世の中をシステムだと思っている
世の中のすべては人間が作っています。
この国があるのも、法律も、コンピューターが勝手に作ったシステムではなく、血の通った人間が作ったものです。
これを勘違いしている人は、人と人とのコミュニケーションをおろそかにしています。
例えば、レストランに入って、店員が「いらっしゃいませ」と言い、「お水を持ってくる」というのは最初から絶対的に決まっているシステムなんかではなく、人間がそう決めて働いているだけです。
レストランに入りお水が出てこないとクレームを付けるクレーマー気質でも、友達の家にお邪魔してお水が出てこないからといってクレームは付けませんよね。
つまり、「レストランに入ったらお水が出てくるシステム」という固定概念がクレームを生んでいるのです。
これを、「人と人」と考えられる人は、レストランにクレームを言う必要はなく、店員とコミュニケーションをしっかりとれるので、単純に「お水をください」とイライラせず言えます。
何でもかんでもシステマティックに進むのが当たり前だと思ているタイプは要注意です。
クレームを付けやすい人を選んでいる
クレームを言われやすい人には特徴があります。
・背が低い
・声が小さい
・おどおどしている
・行動や反応が遅い
・声が高め
・キャシャな体格
なぜ今までクレームを言われやすかったのか、これを見て心当たりがあった方は多いのではないでしょうか。
これらは身体的な特徴ですが、クレーマーは自分でも知らず知らずのうちに、こういった見た目の人物に対してクレームを付けます。
弱いものに強く当たるは、動物的な本能なのかもしれません。
なぜなら、反撃の恐れが低いからです。
ゴリゴリマッチョで強面な店員にはやっぱりクレームは付けにくいものです。
反撃してこなそうな相手を無意識に選ぶクレーマーの心理は、企業相手でも同じです。
よくわからないちょっとヤバそうなお店にクレームを付ける人はあんまりいないです。もし、怖い人が出てきて反撃されたら嫌ですからね。
なので、社会的に有名な会社やお店など、まともな商売をしているお店をターゲットにしています。まともなお店だったら、常識的な対応しかしないから、反撃されることが無いと踏んでいるからです。
クレームを言わず、要求を通すには
クレーマーと言われることを恐れて、逆になにも言わない人もいます。
しかし、それはそれでどうかと思います。
世の中すべて人と人とのコミュニケーションで出来ています。
そして、コミュニケーションはロジックがすべてです。
ロジックが通っていれば、おどおどしてようが、少し間違った日本語だろうがどうでもいいのです。
昔、ソフトバンクの孫正義さんがアメリカの大学を受験した際、「俺は問題が日本語で書かれていれば解ける、だから辞書を使わせろ」と要求したそうです。そして見事合格しました。
孫さんの例では、はなから「受験には辞書は使えないシステム」と思い込んでいる人にはできない行為です。昔から孫さんは「世界はシステムではなく人が作っている」と理解していたからできた行為だと思います。
つまり、感情的にならず、ロジカルに要求を伝えれば、なにもクレームを言う必要はどこにもないのです。
ロジカルに要求する事もクレームだと勘違いする人も多いですが、それは違います。
言うことは言って、泣き寝入りしてはダメです。自分の権利は最大限主張しましょう。
お年寄りのクレーマー
世の中には老害と呼ばれる厄介ものがいます。
通常、年齢を重ねることにより落ち着いてくるものなのですが、老害は違います。
若者のクレーマーのタイプとは違い、老害の場合は、「世の中は人と人のコミュニケーションで出来ている」ということは理解しています。
つまり、理解して確信犯的にクレームを付けてくるから厄介なのです。コミュニケーション自体が攻撃的だからです。
アグレッシブコミュニケーションによって、自分の我を通そうとしてきます。
先に述べたように、前頭前野が成熟するのは30歳前後です。20代では常にイライラしていた人も、30代になると落ち着いてきます。
しかし、高齢者になると、今度は前頭前野が退化してきます。つまり、感情を抑えることができなくなるのです。
もともと、昔の人は現代人よりコミュニケーション能力に長けています。そこは否定できません。
だけど、前頭前野が収縮し、感情が抑えられない老人が、クレーマーになるケースが多いです。
結論
世界はシステムではなく、人が作っている。
きちんと、コミュニケーションを取る意識をもてば、クレーマーと言われないで、要求を通せる。
若いうちは脳の機能上、イライラするのは仕方がない。年齢を重ねれば落ち着いてくるもの。
老害は、前頭前野が委縮しているため感情を抑えることができない。
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