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【実体験】ジェネラリストの市場価値はほぼゼロですよという話

公開日: : キャリアアップ

ジェネラリストとは「なんでもそつなくデキる人」のことを言います。

それに対するのがスペシャリストで、「専門家」「1つのことを極めた人」「手に職がある人」といった意味を持ちます。

では、なんでもできるジェネラリストと、専門的な知識が豊富なスペシャリストはどっちの市場価値が高いと思いますか?

結論を先にいうと、市場価値が高いのはスペシャリストのほうです。

その理由を私の実体験から説明します。

目次

ジェネラリストの市場価値がほぼゼロの理由

他人に仕事を依頼するのはどんな場合なのかを考えるとよくわかります。

それは「自分にできないことをしてほしいとき」です。

自分に家を建てる能力が無いから大工に仕事を依頼する。自分にWebサイトを作る能力が無いからプログラマーに依頼するなどです。

請負だろうが雇用だろうが基本的な考え方は一緒です。

ただ、雇用の場合は「雇用後に会社が育てる」ということがあるため、人材の伸びしろを見て採用することはありえます。請負だとそれはありえませんよね。

そこで、自分が経営者だったらジェネラリストかスペシャリストのどちらを雇いたいかと考えてみてください。

目の前のタスクをこなせるかどうかもわからないジェネラリストを雇うでしょうか?それよりも、その分野に精通したスペシャリストを雇ったほうが確実ですよね。

家を建てて欲しいのに、大工仕事ができない優秀な東大生を雇っても仕方ありませんよね。

スペシャリストにさえなれば、どこかの誰かに刺さることがあります。

それが人材市場価値というものです。

しかし、ジェネラリストだと誰にも刺さりません。

「なんでもそつなくこなせる人がほしい!」という企業もなくはないです。しかし、コンビニや飲食店のアルバイト、工場勤務の派遣、お客様サポート窓口の派遣のような誰でもできる仕事ぐらいしかありません。当然お給料も安いです。

こういった仕事は、「特別この人がほしい!」と言われたわけではなく、「誰でもいいから人がほしい」と言われているだけなので、人材を求めている人に刺さったわけではないです。

いくらでも替え効く人材は、市場価値があるとは言えません。

ジェネラリストの自分の市場価値

まずは簡単に私の自己紹介をします。

20代前半のころは資格を取ることにハマっていて、行政書士やMOS(Office)などを取りました。

なので、もうだいぶ忘れていますが法律の知識はそこそこ豊富です。また、ビジネスマンなら必須スキルのWord、Excel、パワポは人並み以上に得意です。

そして、ICT企業で勤務経験があるためネットワーク通信の知識も豊富です。プログラミングも独学してiOSアプリを作りAppStoreにリリースした経験もあります。

高校は工業高校で学年トップレベルの成績でした。大学では心理学科へ行き、半年で中退しました。

これだけを見ると、まさにザ・ジェネラリストだということがわかりますよね。

一見、「ICT企業での勤務経験」や「プログラミング」、「行政書士」などスペシャリストに見えなくもないです。

しかし、ICT企業で勤務経験といってもエンジニアだったわけではありませんし、プログラミングだけで食っていける力もありませんし、行政書士という資格をとったからってスペシャリストにはなりえません。

よく、「資格を取ればその道のプロになれる」と勘違いをする人がいます。

私もそうでした。

昔から心のどこかでスペシャリストになりたい願望があり、手っ取り早い資格取得というものに手を出したのですが、結局はその業界で何年も勤務してスペシャリストに成っていくもので、難しい資格を取っただけではなにも変わらないことに気が付きました。

そしてここからが本題です。

この私のようななんでもそつなくこなせる「優秀な人」に市場価値があるのかどうか?

20代前半だったらまだ伸びしろがあると企業に認められて、採用されなくもないです。

しかし、30才を超えるとこんな人材を採用する企業はぼぼありません。

では、独立して仕事をするのはどうかというと、今がまさに自営業なのですが、たいして稼いではいません。

それは、企業が人を採用する場合よりもっとシビアな世界だからです。

実体験として、本当に使える人材(スペシャリスト)であれば仕事はたくさんあるのですが、ジェネラリストにやってほしい仕事なんてほとんどありません。

自分は前職の経験を活かし、スペシャリストでは無いしてもそれに近い形に認められたため運良くやって行けているだけです。

また、誰でもできるというわけではないけど、同じようなジェネラリストならばいくらでも私の替えがいるため、私の市場価値はぼぼ無いに等しいでしょう。

断言しますが、「市場価値が高いのはスペシャリスト」です。

ジェネラリストとして社会に出て10年生きてきた私の実体験ですから間違いありません。

スペシャリストの視野が狭いって誰が決めたの?

よく、「スペシャリストは視野が狭いからジェネラリストのほうが管理職に向いている」といったことを言う人がいます。

そういった人はスペシャリストのことを勘違いしています。

おそらくスペシャリストのことをサヴァン症候群のような特定の物事だけ世界トップクラスの能力を持っている人のことをイメージしているのだと思います。

しかし、本来スペシャリストという人々はそんな人類の0.01%のサヴァン症候群の人のことを言うのではなく、ごく普通の専門的な知識が豊富な人のことを言います。

そもそも普通の人間は、偏った知識を身につけることが不得意です。

たとえば、数学で100点を取れるスペシャリストは、国語で0点を取るのでしょうか?

実際は、数学がそれだけ優秀ならば国語もそこそこ優秀な可能性が高いでしょう。

なので、能力値は数学を頂点に緩やかなカーブを描き、他の科目もそこそこ高得点が取れるはずです。

スペシャリストは専門的な知識ががあるから専門的な仕事をしているからであって、ジェネラリストが普段している仕事ができないというわけではありません。

私の考えるジェネラリストとスペシャリストとそうでない人

私が考えるジェネラリストとスペシャリストの定義がこうです。

スペシャリスト→めちゃくちゃ優秀な人
ジェネラリスト→そこそこ優秀な人
どちらでもない人→普通

お前が勝手に定義を決めるな!

と言われそうですが、実際ある定義をどう理解するかが重要で、私は一般的な定義を簡略化しただけです。

学校のテストの点数で例えるとこんな感じです。

スペシャリスト→数学100点、国語70点、社会70点
ジェネラリスト→数学70点、国語70点、社会70点
どちらでもない人→数学50点、国語50点、社会50点
サヴァン症候群→数学100点、国語0点、社会0点

サヴァン症候群の場合は、いくら数学が100点でも国語と社会が0点じゃ複雑な業務の仕事には使えなそうですよね。この場合は、ジェネラリストが有利でしょう。

そして、スペシャリストとジェネラリストの場合は、1つの分野を除き平均的な能力値にあまり差はありません。

しかし、スペシャリストにはプラスアルファで最も得意な分野が1つあるというイメージです。

「ジェネラリストとスペシャリストどっちを目指すべき?」という愚問

「ジェネラリストとスペシャリストどっちを目指すべき?」なんて甘いこと言ってる人は、スペシャリストに逆立ちしてもなれない人です。

そんなに簡単にスペシャリストになれるなら苦労しません。

四の五の言わずにスペシャリストを目指すべきです。なれるものならですが。

それに、スペシャリストは目指して成るものではなく、気が付いたら成っているものです。

スペシャリストが全てにおいてジェネラリストを上回っているので、ジェネラリストを目指す価値はゼロです。

私だって、スペシャリストを目指して努力していたつもりが、飽き性だったため不本意でジェネラリストに成ってしまったのですから。

でも、いつかは人からスペシャリストと言われたいという願望は常にあります。

それが具体的に何であるかはわかりません。

何度も言いますが、スペシャリストは気付いたら成っているものです。

仕事とか、趣味とかごく当たり前に続けていることが、いずれ気付いたら誰よりも秀でた能力として開花することがあります。

そのためには、なにかに没頭する力が必要なのですが、これを学校教育や親が奪ってしまうことがあります。

「子供を潰す親の特徴」の記事内で詳しく説明していますが、とことんハマることを許さない親に没頭力を奪われてしまった人がジェネラリストになる傾向があります。

学校教育がジェネラリストを量産している

ホリエモンの著書『すべての教育は「洗脳」である』で学校教育がジェネラリストを量産していると指定しています。

5教科のうち1教科だけがA評価であとはE、という生徒のことを普通の教師は褒めない。どれだけその1教科に飛び抜けた才能があろうと、教師は不出来だった四つの教科について彼を咎める。国語しかできない子は、こんな風に言われるだろう。「あなたは理系科目が弱点だから、数学や理科をもっと頑張りなさい」

つまり、教師が評価するのはまんべんなくオールBを取る生徒です。

昔は工場勤務の人材が重要だったので、ひとつのことに特出した人材よりも、とにかく目立つ「短所」がない人間のほうが扱いやすいという理由がありました。

なので、学校教育ではそういったジェネラリストを育てる人材育成をしていました。しかし、今の時代は工場勤務だけが仕事ではありませんよね。

詳しくは、堀江貴文さんの本を読んでみてください。個人的にホリエモンの本の中で一番好きです。

【まとめ】ジェネラリストの市場価値はゼロ!スペシャリストになるには

私の実体験から、ジェネラリストは市場価値がほぼゼロだとひしひしと感じております。

資格を取るとか、プログラミングを学ぶとか、こんな小手先だけではスペシャリストにはなれません。

世にいるスペシャリスト達は、1つの業界で長年働いて気付いたら成っている人がほとんどです。

スペシャリストになりたい人は、「今何を持っているか?」「それをどれだけ極められるか?」から始めましょう。

自分がスペシャリストかどうかの見極めは、「同じ分野の他の会社に今すぐにでも転職できる能力がある」とか「その業界で独立しても食っていける」が基準のひとつです。

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