楽天証券は、楽天グループが運営するネット証券です。2024年11月時点でNISA口座数が業界No.1(※)、総合口座数は1,300万口座を突破しており、多くの個人投資家に利用されています。
この記事では楽天証券の特徴・手数料・サービス内容・メリット・デメリットを客観的にまとめて紹介します。
※日本証券業協会「NISA口座の開設・利用状況」および各社公表資料等より算出(2025年6月末時点)
楽天証券の基本情報
楽天証券は1999年にサービスを開始した老舗のネット証券です。楽天市場・楽天カード・楽天銀行などでおなじみの楽天グループの一員で、グループサービスとの連携が充実しているのが大きな特徴です。
口座開設・口座維持費はすべて無料です。
手数料について
国内株式の手数料
まず、証券会社の手数料の仕組みから説明します。
ここで説明する手数料コースは国内株式の取引にのみ適用されます。米国株式・投資信託などの手数料は別の体系になっており、このコース選択とは関係ありません。
多くのネット証券では手数料コースが「1約定ごとに手数料がかかるコース」と「1日の取引合計額で手数料が決まるコース」の2種類が用意されています。楽天証券はこれに加えて完全無料の「ゼロコース」があり、合計3つのコースから選べます。
ゼロコース(手数料が完全無料)
現物取引・信用取引ともに約定金額にかかわらず手数料が0円です。
たとえば50万円分の株を買って、55万円で売った場合、利益5万円に対して手数料は1円もかかりません。
条件は「SOR」と「Rクロス」という注文方式の利用への同意が必要な点です。難しそうに聞こえますが、SORとは複数の取引所から最良の価格を自動で選んで注文する仕組みで、Rクロスとは楽天証券内で買いたい人と売りたい人をマッチングさせる仕組みです。どちらも通常の注文操作と大きく変わるわけではなく、実際の使い勝手への影響はほとんどありません。
なお、ゼロコースでは国内株式の取引でポイントは付与されません。
超割コース(手数料がかかる代わりにポイントが貯まる)
1回の取引ごとに手数料がかかりますが、手数料の1%が楽天ポイントとして還元されます。
手数料の目安は約定金額によって変わります。たとえば10万円以下の取引なら99円、20万円以下なら115円、50万円以下なら275円といった水準です。
楽天ポイントをしっかり貯めたい人や、成行注文を多用する人に向いているコースです。ゼロコースはSORとRクロスが必須のため、成行注文が即座に約定しないケースがあります。超割コースにはその制限がないため、「すぐに約定させたい」という場面では超割コースのほうが使いやすいことがあります。
また、一定の条件を満たすと「大口優遇」が適用されて手数料が最大50%割引になります。大口優遇の条件は信用取引の建玉残高や新規建て約定代金合計などによって判定されます。頻繁に取引する中〜上級者向けの特典です。
いちにち定額コース(1日の取引合計が100万円以下なら無料)
1日の取引合計金額が100万円以下であれば手数料が0円になるコースです。何回取引しても、その日の合計が100万円を超えなければ手数料はかかりません。
たとえば朝に20万円の株を買い、昼に30万円の株を買い、夕方に20万円分を売った場合、合計70万円の取引で手数料はゼロです。
1日に複数回取引したい人や、少額を何度も売買するスタイルの人に向いています。100万円を超えると段階的に手数料がかかります。
なお、いちにち定額コースは100万円を超えて手数料が発生した場合でもポイントは付与されません。国内株式でポイントを貯めたい場合は超割コースを選ぶ必要があります。
結局どのコースを選べばいい?
手数料を最も抑えたいならゼロコースが一番シンプルです。楽天ポイントを活用したい場合は超割コース、1日に複数回売買する予定がある場合はいちにち定額コースを検討してみてください。
現物取引と信用取引で手数料に違いはあるの?
ゼロコースは現物取引・信用取引ともに手数料が完全無料で、違いはありません。
超割コースは現物と信用で手数料体系が異なります。たとえば約定金額が50万円の場合、現物取引は275円(税込)ですが、信用取引は198円(税込)とやや安くなっています。信用取引のほうが手数料水準が若干低めに設定されています。
いちにち定額コースは現物取引と信用取引の合計金額で手数料が計算されます。現物・信用を合わせて1日100万円以内であれば、どちらの取引であっても手数料は無料です。
コースはすぐに切り替えできる?
コースの変更はマイメニューの「国内株式の設定・変更」から「手数料コースの確認・変更」で行えます。変更後に注文した分から新しいコースが適用されるため、すでに出している注文には変更前のコースが適用されます。頻繁に変更することも可能です。
米国株式の手数料
米国株式の売買手数料は約定代金の0.495%(税込)、上限22米ドルです。為替手数料は無料です。これはSBI証券やマネックス証券など主要なネット証券と同水準です。
米国株の取引手数料に対しては、国内株式の手数料コースに関係なく手数料の1%が楽天ポイントとして還元されます。ただしNISA口座での取引は手数料が無料のためポイント付与の対象外となります。
NISA口座の場合はどうなる?
NISA口座で取引する場合は、選択している手数料コースに関係なく、国内株式・米国株式・ETF・投資信託の売買手数料がすべて無料になります。長期投資を前提にNISA口座で日本株やアメリカ株を積み立てていく場合は、手数料を気にせず取引できます。
ただし注文時に手数料コースの手数料分が一時的に資金として仮拘束される場合があります。これは約定後のメンテナンス時に解除されて買付余力に戻ってきますので、実際に手数料を取られるわけではありません。一瞬「あれ?」と思うかもしれませんが、ご安心ください。
投資信託の手数料
取り扱っているすべての投資信託の購入手数料が無料です。取扱本数は約2,600本で業界トップクラスの水準です。
楽天証券の特徴
楽天ポイントが貯まる・使える
楽天証券の最大の特徴は楽天ポイントとの連携です。
楽天カードで投資信託の積立をすると、積立額に応じて楽天ポイントが付与されます。毎月最大10万円までの積立がカード決済で可能で、NISAでも利用できます。
また、楽天キャッシュ(電子マネー)での積立でも毎月最大5万円まで0.5%のポイントが付与されます。
投資信託の保有残高に応じてポイントが貯まる「投信残高ポイントプログラム」もあります。楽天・プラスシリーズなどの対象ファンドを保有しているだけでポイントが貯まります。
貯まった楽天ポイントは投資信託・国内株式・米国株式などの購入に充てることができます。ポイントだけで投資信託を1円から購入することも可能です。
楽天市場をよく利用している方は、楽天証券の口座開設によってSPU(スーパーポイントアップ)の倍率が上がり、楽天市場でのポイント還元率を高められます。
楽天銀行との連携「マネーブリッジ」
楽天銀行の口座と楽天証券を連携する「マネーブリッジ」を利用すると、楽天銀行の普通預金金利が優遇金利(最大年0.38%・税引後年0.302%)に引き上げられます。
また、証券口座の残高が不足した場合に楽天銀行から自動的に資金が移動する「自動入出金(スイープ)」機能が使えるため、入出金の手間が省けます。
単元未満株「かぶミニ」
楽天証券には「かぶミニ」という単元未満株サービスがあります。1株から国内株式を購入でき、手数料は無料です。リアルタイム取引の場合はスプレッドがかかりますが、寄付取引はスプレッドなしで購入できます。楽天ポイントでの購入も可能で、NISA口座にも対応しています。
取引ツール・アプリ
PC向けの取引ツール「マーケットスピードII」は無料で利用できます。Mac版も提供されており、日経テレコン(楽天証券版)の閲覧もこのツールから可能です。
スマホアプリ「iSPEED」は2025年8月時点で累計1,000万ダウンロードを突破しており、日本株・米国株・CFDを1つのアプリで取引できます。
2024年12月にリリースされた「iGrow」は、NISAとiDeCoをまとめて管理できる資産管理特化型のアプリです。100円から投資信託の積立・購入ができ、楽天銀行の預金残高もあわせて確認できます。
日経テレコン・マネー雑誌が無料で読める
楽天証券の口座を持っていると、日本経済新聞の記事が読める「日経テレコン(楽天証券版)」を無料で利用できます。通常は有料のサービスが無料で使えるのは情報収集の面で便利です。
また、NISAまたはiDeCoの口座を開設していると、マネー雑誌を毎月3誌まで無料で読めるサービスも提供されています。
IPO取扱件数
2025年には43社のIPOを取り扱い、全証券会社のなかで3番目に多い取扱件数でした。IPO投資に興味がある方にとっても選択肢のひとつになります。
メリット・デメリット
メリット
楽天ユーザーにとってポイントの活用範囲が広い点が大きな強みです。投資しながら楽天ポイントを貯め、貯まったポイントで再び投資するサイクルが作りやすい構造になっています。
手数料については、ゼロコースを選べば国内株式の売買手数料が完全無料で、投資信託の購入手数料もすべて無料です。コスト面のハードルは低いといえます。
ツールやアプリの使いやすさに定評があり、初心者でも操作しやすいという評価が多いです。
デメリット
ゼロコースで手数料を無料にするにはSORとRクロスの利用が必要で、注文がすぐに約定しない場合があります。また国内株式の取引ではポイントが貯まりません。
手数料を無料にできるゼロコースといちにち定額コースでは、国内株式の取引でポイントが付与されません。国内株式の取引でポイントを貯めたい場合は超割コースを選ぶ必要があり、その場合は手数料がかかります。手数料無料とポイント付与を国内株式で同時に実現することはできません。
まとめ
楽天証券は、手数料の安さ・楽天ポイントとの連携・豊富なツールを兼ね備えたネット証券です。特に楽天カードや楽天銀行をすでに利用している方にとっては、グループ内でポイントと資産をまとめて管理できる利便性があります。
口座開設は無料で、証券口座と合わせてNISA口座も同時に申し込めます。
楽天証券
※本記事は個人の見解にもとづく情報提供を目的としています。投資には元本割れのリスクがあります。投資の判断はご自身でお願いします。掲載している数値・制度内容は執筆時点の情報です。最新情報は金融庁・楽天証券の公式サイトでご確認ください。
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