速読は科学的に不可能なことだった!?本を速く読むには?
読書ってやたら時間取られますよね。私もぜんぜん読むスピードが遅いので、文庫本1冊読むのに3時間はかかります。
このブログを書くようになってから、常にインプットを欠かしたくないので、月に4~5冊は本を読んでいるのですが、読書家から見たら糞ほど少ない量ですよね。
メンタリストのDaiGoさんは1日に20冊もの本を読むそうです。ホリエモンも収監時代に1000冊も本を読み、お笑い芸人のカズレーザーさんも年間200冊、大富豪のビルゲイツは一般人の38倍の量の本を読むそうです。
これら読書家の人々は社会的にも成功していて忙しい毎日を送っているはずなのに、なぜそんなに本を読めるのでしょうか?私も仕事をしていなければ、1週間で10冊は読めると思いますが・・・たぶん・・・。
「だったら、速読法を身に付ければいんじゃね?」と思う方もいると思います。しかし、安易に考えてはいけません!ちまたには速読に関する本や教室がいっぱいあります。しかし、その方法は科学的根拠のないでたらめなものばかりです。
結論から言ってしまうと、ライフハッカーの記事でこういうものがあります。
「現存する科学的根拠によれば、速度と正確さには反比例の関係があり、読み手が読むべき文書にかける時間が短いと、その分だけどうしても理解が劣ってしまいます」とカリフォルニア大学の心理学者であり、その研究論文の著者でもあるElizabeth Schotter氏は述べています。
引用:速読は実は不可能だと科学が実証
つまり、いままで言われてきた速読法というものは効果が無いという研究結果だったわけです。
いままで言われてきた速読法と、どうすれば速く本が読めるようになるのかを説明します。
目次
根拠のない速読法
通常文章を読むときは、頭の中で音読するように喋るスピードで読んでいます。よく言われる速読法は、「頭の中で言語化しないで読め」というものです。文章を理解しようとせず、目で見て文字そのものを覚えるような感覚です。
例えば、この文章を読むとき、
通常はこのように左から右へと視線を動かし文章を読みます。
しかし速読法の場合、広い視野で文字をとらえ、縦に視線を動かし、一気に文章を読みます。
一気に縦読みするときに、いちいち「頭の中で音読」はできません。つまり、考えないでとりあえず「広い視野で目を通す」ことになります。
この方法が一般的な速読教室で行われていることなのですがハッキリ言ってこれでは、まったく内容を理解することができません。
上記の例程度の短い文章であれば、この速読法でも理解するように見せることは誰でも可能です。これがちょっとしたトリックなのです。人間の脳は目さえ通せば少しの情報量であれば記憶は可能だからです。
通常人が読めるスピードではない一瞬だけ上記文章を表示させたとしましょう。その後に、今の文章の内容に関するテストを出します。
問題.果物を食べた男の子はどうなった?
- 背が伸びた
- 腕が伸びた
- 悪魔になった
- 女の子になった
この四択がミソで、「腕が伸びた」というキーワードは文章中にあるので、視野が広い人であれば、瞬間的にそのキーワードを記憶できるので正解することは容易です。しかし、これが4択問題でなかった場合やもっと複雑な問題だとたちまち答えられなくなるのです。
問題.ルフィがこのお店で飲食したものをすべて答えなさい。
答え.ジュースと悪魔の実
こういった問題だと、やはり数秒は読まなきゃ答えられない場合があります。間違えて「お酒」「果物」などを答えてしまいます。それはワードをただ記憶しているだけで、論理的に文章を組み立てられていないことを意味します。
本来理解していないことも、この4択のトリックを使って、わかった風にさせている教室が多いのです。
確かに4択レベルであれば鍛えれば正解率が上がります。文章を一瞬見て、それを記憶するのはワーキングメモリ(一時記憶)を鍛えることになるので脳科学的には無意味ではないのですが、文章を論理的に理解しているとは言い難いため速読法というものは科学的ではないのです。
本当に本を速く読むためには?
じゃあなぜDaiGoさんやビルゲイツは人の何倍ものスピードで本を読めるのでしょうか?
これにはいろいろな推測が考えられます。
理解力が高い
一つの理由が理解力が高いことです。DaiGoさんやビルゲイツが特別頭がいいからというのもありますが、理解できない文章を読むよりも、理解できる文章を読むほうがスピードは速いです。DaiGoさんも一般的な速読法は否定していて、予備知識がある本ほど読むスピードが速いと言っています。難しい専門書などはさすがに時間がかかるそうです。同じジャンルの本であれば1冊目よりも2冊目のほうが予備知識ができているので読むスピードは上がります。理解力が高いか低いかは、これから読む本の予備知識があるかないかの要素が大きいのです。
一般的な速読法はこの理屈をまったく語っていませんので、専門書だろうがなんでも読めてしまう理屈になっていました。めちゃくちゃ本を読むスピードが速いDaiGoさんでさえ速読を否定してるのでライフハッカーの記事は信頼性が高いと思います。DaiGoさんも言っていましたが「速読を教えている先生が本当に速読ができるなら”速読ビジネス”なんてものはやらない」と。速読でたくさん本を読めるならばそれ以外のビジネスをしたほうがDaiGoさんやビルゲイツのように社会で活躍できるはずです。
不要な部分は読まない
これは本当の意味で速く読めているわけではないのですが、「無意味な繰り返しの文章」「読んでてつまらない部分」なんかを読み飛ばすと当然速く1冊読み終わるわけです。
本をたくさん読んでいるとたまに、著者のクセで「重要だから繰り返し書く」ということをしている人がいるのですが、本を読んでいて1度出てきたことをまた言われるのはめんどくさいだけです。きちんと理解しながら読んでいる人にとっては邪魔なだけなのでそういう部分は飛ばして読みます。自分にとってまったく興味が無い部分というのも飛ばします。興味が無い部分というのは頑張って読んだところですぐ忘れてしまうからです。
集中して読む
当たり前のことですが、集中して読むことによってスピードは上がります。集中力が高い状態だと、理解力も深まるので”戻り読み”が減ります。それに、集中すると文章を頭の中で言語化する際に早口になります。聞く場合を例にすると、2倍速再生で動画を見るにはかなり集中しないと聞き取れませんよね、それと同じで集中すると2倍速再生のように頭の中で言語化できるのです。
とにかくたくさん本を読む
これが一番大事です。結局本を読むのが遅い、もっと早くなりたいって人はたいした量の本を読んでいないのです。1日1冊読むことを毎日続けていれば嫌でも速くなります。月に1冊程度しか読まないくせに、「速く読めるようになったらいいなぁ」というのは無理な話です。月に何十冊も読まなきゃいけない状況に追い込まれれば誰でも速くなります。
まとめ
「この記事の方法さえ実践すればDaiGoさんみたいに1日20冊読めるの?」というのはやってみないとわかりませんし、何年もかかるでしょう。誰だって最初から速く読める人はいません。小さいころからたくさん本を読んで、自然に脳が”速く読むすべ”を見つけ出した結果なのだと思います。
だからこそ、本や教室などで教える「すぐに速くなる速読法!」「一分で一冊読める!」なんてものはほぼウソだと思っていいでしょう。
昔TVであまりにも速読が速すぎて、もう本の中すら見る必要がない、表紙を数秒見るだけで内容がわかるという超能力まがいのものまで放送されていました(笑)
”速読ビジネス”のカモにならないように、客観的に見極める必要があります。
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